みあげればソラ


美亜の言うように、孤独に向き合えない人間は、結局、誰かに依存することになるんだろう。

彼女が恐れていたのは、母親のように男に依存して生きる女の結末。

当時の自分を母に重ねて、その呪縛から解き放たれる為に美亜は俺のもとから消えることを選んだのだ。


孤独を乗り越えてた今の彼女は、自信に満ち溢れている。

幸せを自分で勝ち取ることの価値をわかっているからだ。

孤独とは、人間は所詮一人だと理解することだ。

自分を愛して生きることだ。

人は生き、いつかは死ぬ。

それが孤独の本質だ。

その上で、誰かを求め、愛し、共に生きていく。

それは一対一の対等な関係の上でしか成り立たたない。

不思議だな。

孤独を知って初めて、誰かとちゃんと繋がれるなんて。



孤独を理解するには、適当な距離が必要なのだ。

それを逸脱すると不幸が起こる。

近づき過ぎても、離れ過ぎても駄目なのだ。

その距離は、物理的な物差しだけでは測れない。

どんなに離れていても、どこかで繋がっている。

目の前に居なくても、繋がりを感じられる。

そんな心地よい感覚的な距離が必要なのだ。



いつかどこかで繋がっている

そう信じられる二人の関係



亜里寿も、そう信じられたら遠くへ行かなくて済んだのかもしれないな。

願わくは、そらの遠い彼方のあの世が、寂しいところじゃないといい。



見上げればソラ

俺達は決して一人ではないのだから



Fin

2015.05.11.