毒舌な君と恋の予感

それから数時間後――

『うっうっ…ヒック…』

なぜこいつらが泣いているか?
それは…―

「泣いてないでさっさとやれよ、奴隷が逆らっていいと思ってんのか?ほら、埃にまみれて掃除をしろ」

埃だらけになる天井裏の掃除させてるからさ

母・姉2『うわぁーん!』

泣き出した母と姉

愚痴ってるやつがもう一人

姉1「何で私まで~!?」

そこら辺にいたからだよ

奴隷どもに掃除をさせていると

ピンポーン


とチャイムが鳴った

沙羅「チッ、誰ですか」

王子「弥山沙羅様に招待状を」

なんか王子の声がするぞ?

王子が直接この家に来たのか?

ま、いいや

沙羅「いらん、帰れアホ王子」

王子「ウッザ!……コホン…いえ、少し見ていただけないかと」

おい待てこら、『ウッザ』って言ったよな

バッチリ聞こえたぞ

沙羅「仕方ない、少し待て」

私は振り返って姉共に命令した

沙羅「いいか?ちゃんと休まず掃除をしろよ。これは命令だ、奴隷が主人に命令することなど許さない。もちろん異論も聞かない。じゃ、行く」

私は玄関にスタスタと歩き出した