「ごめんなさい。もう、蓮には迷惑かけないから……」
「だから、別に迷惑とかじゃないから」
「そう。なら、良かった」
心にも消えない傷を負うという事……コイツは分かっているのだろうか?
そう考えていると、ついイライラしてしまい、愛莉に八つ当たり。
「お前さ、もっと考えたら?」
「えっ?」
「トロイんだよ。
レイプされて殺されている事件なんて、嫌って程ニュースでやってんだろ?犯人が凶器持ってたら…とか考えないわけ?」
「あっ…えっ…」
早口でまくし立てる俺。
今にも泣き出しそうな愛莉。
再び瞳に涙を溜めながらオロオロしている、どんくさい愛莉を見ながら、つい俺はやってはいけない事をしてしまった。
「そんな事、分かっ……!!!」
反論する愛莉に、なぜかキス。
別に欲情していた訳でもなく、気が付いたら唇が合わさっていたのだ。

