辺りもいい具合に暗くなり、蓮はポケットに入れていたチャッカマンで花火の先端に火を付ける。

初めはくすぶっていた火も、徐々に勢いを増しやがて綺麗な火花を散らしていた。


―――シュー


「きれい!!」


私達は、蓮の火が消えないうちに次々と自分の花火に火を付けていく。

赤や緑、オレンジ等色とりどりの火花が各地で輝いていた。


「ちょっと見て見て!」


叫ぶ彩乃の方を見ると、グルグルと円を書きながら花火を回していた。


「危ないって」


なんて言いながら、私もそれに参戦。

ハート型にしてみたものの、上手く書けずに煙を吸い込んでしまう私。


「ゲホッ、ゴホゴホッ…」


「バーカ。アホな事ばっかりしてるからだよ。それより、一発いきますか」


暴言を吐く蓮の方を見ると、手には長細い持ち手の先端に少し太めの筒状の物が。


まさか……


蓮が火を付けた数秒後、それは火花を散らしながら海に向かって飛んで行った。


そう、ロケット花火。