脱・不幸恋愛体質

そんな視線にビクビクしながらも、蓮の手によりお食事終了。

蓮が優しくなるなら、たまには怪我も悪くないなと思っちゃいました。


「あ~旨かった。蓮、後片付け宜しくな」


店長、人使い…いや、息子使い荒いです。

店長と沙織さんは、コーヒーを飲みながら2人してくつろぎモードに突入。

何だかんだ言いながらも、ちゃんと後片付けをしてくれる蓮。

意外と良い奴だったりして?!

なんてそんな姿を見ながら、ちょっとだけ蓮の株が上がっていたりする。


彩乃もホールを片付け始めたので、

『まったく、仕方ないなぁ~~』

そんな事は絶対口には出せないけど、内心思いながら私は蓮を追いかけて洗い場まで向かった。

さっきのお礼もしたかったしね。


洗い場に行くと、蓮は水を流しつつたわしを片手に焦げ付いた鉄板をゴシゴシと洗っていた。

意外としつこい焦げ付きに、鉄板と格闘中の蓮に

「手伝うよ」

と言いながら横に立った。

「いいよ、邪魔になるだけだ」

なんて、素直じゃないの。

「大丈夫だよ、意外と力有るんだから」

そう言うと、私はグッと力を入れて腕を曲げながら力こぶを見せた。