そんなこんなで、毎日がハプニングな感じで気が付けば1週間経っていたりする。

バイト期間は3週間だから、もはや3分の1は終わった事になる。

何とか仕事を覚えて、やっと慣れてきた私は少しずつ要領も良くなってきた……



―――ガンガラガッシャン


「お前、何やってんだよ!!!」


「ひゃ!!ごめんなさい」



……と、思うんだけどな。

それはさておき、蓮との奇妙な帰り道を一緒に帰る関係も続いていて、相変わらずぶっきらぼうな口調。

強いて言えば、少しずつ会話をする様になった位かな。


そして、翔君はと言うと意外とあれから何にも無く、普通に接してくれていた。

ホッと安心した反面、少し悲しい気もするがそれぐらいが良いのかもね。

やっぱり、あの日のキスはからかわれて居たんだと確信したんだ。


「愛莉、イカ!!!」


「ん?げっ、ヤバっ!!!!」


あ~ん、彩乃ったらもう少し早く知らせてよ。

丸焦げのイカは、私の賄い行きに決定し紙皿に悲しそうに乗っかっていた。


「お前、いくつイカ食う気だよ」


横からの冷ややかな口調で、今日もお叱りを受ける私。

『だって、左手だからやりにくいんだもん!!』なんて、言える訳がないですし。