イカを捨てて帰ってきたら、すでに彩乃の姿は無くなっていた。
あれっ?
相変わらずアクティブだなぁ~
なんてキョロキョロ周りを見渡していると
―――バシッ
後頭部に衝撃がはしる。
「いった――い!!ちょっと、蓮!何するのよ」
なんだかんだ、一応女の子なんだからね。
「お前、イカ焦がしたんだって?」
ちょっと、何で知って……
「ああ―――!!!!彩乃だな」
つい口に出た名前に、彩乃が遠くから手を合わせて謝ってるジェスチャーをして来た。
あいつ……マジ殺す。
そんな殺気だつ私に怯む事無く、蓮は
「罰として、明日からお前はイカ焼き係な」
「イ…イカ焼き係?!」
ああ、可愛くも何ともないネーミングに、今年の夏もロマンチックな恋は無いと悟った私。
これは、諦めて仕事に熱中する方が良いのかな?
大きなため息をつきながら、遠くに居るカップルを見つめた。
ただ、幸せな恋愛をしたかっただけなんだけどな……
なんて思っていると
「お前、また焦がしたらぶっ殺す」
み…見透かされてる?!
「ひゃいっ!!」
と、変な返事をしつつ心の中で呟いた。
恋は無理だな。
って。

