「宜しくお願いします」

私は元気良く店長に挨拶し、昨日教えてもらった仕事についた。

もちろん、負けず嫌いな私は外でパラソルと格闘。


昨日のリベンジ戦。


って、別に戦って無いけどさ。

翔君は、「無理しなくて良いよ」って言ってくれたんだけど、それは私にとって、蓮に負けたのと同じ事になるんだから!!!


そんなの絶対にイヤ。


だから、今日はちゃんと日焼け止めを塗り、麦わら帽子をしっかりかぶって万全の体制でパラソルに挑むんだからね。

私は昨日と同じく、海の家の裏手で作業を始めた。

昨日頑張ったかいがあり、少しだけコツを掴めていた気がする。

私はマメに水分補給をしながら、黙々と作業をしていた。



どれくらい、時間が経ったんだろう?

自分では1時間位だと思うんだけど、実際時計をしてないから分からなかった。

私はお店に戻ると、店長に終了の報告をし他の仕事をしに店内を動き回っていた。


「愛莉ちゃん、終わったの?」


顔を上げると、笑顔の翔君が立っていた。


―――キュン


ヤバいヤバいヤバい

不意打ちは、ズルいって!!


「うん、終わった」

少し可愛く言ってみたものの、たいして可愛くない服装と汗だくの顔にハッとする私。

もっと、ちゃんとしとけば良かったよ。