「おっ、始まったな」
危機一髪の所で蓮の攻撃から逃れた私。
「せっかくだから、近くまで行こうよ」
なんて、上手く話をすり替えてみた。
蓮もそれに同意し、私達はギリギリのタイミングで花火大会を満喫する事が出来た。
間に合って良かった。
潮見川付近の道路には、ひしめき合うようにして屋台が並んでいる。
潮見川に近くほど人がたくさん居て、ボーっと歩いて居るとすぐにはぐれてしまいそうだ。
私は又番号交換を忘れてたから、とりあえず蓮を見失わない様に、必死に蓮の背中を追いかけていた。
「ひゃあ~~すごい人だね」
「お前、迷子になるなよ。ロープでも付けてくれば良かったな」
なんて言うんだから!!!
「うっさい」
って言った矢先に、慣れない下駄のせいか石に躓いてしまうマヌケな私。
―――ひゃっ
って、あれれ?!
「お前さ、運動神経悪すぎだから」
そい言いながらも、しっかり私を支えてくれる蓮に少しドキドキしてしまった。

