花火始まっちゃうよ……


早めに約束してたから、もしかしたら花火には間に合うかもしれない。


たぶん……


ああ、最悪。


数分も経たないうちに、彩乃からのメールの返事がきた。


【翔君なら知ってるんじゃない?】



!!!!!



確かに、翔君なら知ってるわ。

翔君にメールするのはかなり気が引けるけど、今は仕方ないよね?

こんな事なら、番号交換しとけば良かったよ~~

私は翔君に、事情をメールして蓮に伝えて貰う様にお願いした。

後から考えたら、蓮の連絡先を聞けば良かったんだけど、やっぱり頭が回らなかったんだよね。


こんな自分が大嫌いだっ!!!


花火大会のせいか渋滞に巻き込まれながら、何とか目的の駅に着いたバス。

ドアが開くと同時にバスから飛び出し、全速力で走っていた私。

火事場の馬鹿力みたいな感じで、普段足の遅い私のベストタイムであろう速さで約束のモニュメントの前に着いた。