イヤ、イヤと言いながら抱き締める腕の力は緩むこともなく、目を潤ませて見つめてくる。


嫌よ嫌よも好きのうち、とよく言ったものだ。


「嫌なら俺から逃げていいんだよ?」

悪戯っぽく言えば、言葉とは正反対に唇を重ねてくる。

「もう、いじわる…」

「誰がそうさせたんだよ」


女の子は、ここが学校の中庭ということも忘れているのか自ら制服のリボンをとり、ボタンを一つ一つあけている。

「…ねえ、早く…」


顔を赤らめ誘ってくる姿は滑稽だ。


俺はこの子の名前さえ知らない。
まだ若干の幼さが残る顔から一年生だろうと想像はつく。

入学してまだ半年足らず。
この子は一回してしまえば自分のものになると勘違いしているようだ。