ポケットには妖精

ご機嫌で朝食を取って、部屋に戻って来たクミン。

「早く戻してよ!」
ジタバタするしかできない。

「やーだー」
制服のブラウスを手にするクミン。

「冗談じゃないわよ!」叫ぶと

「冗談じゃないよ」って不敵に笑う。

クミンは私を無視して制服に着替え始める。

「このまま学校へ行くの?」

「あたりまえじゃん」

「無理だって」

「無理じゃない。てかアンタさぁ」
ズンズンとクミンは私の目の前に来て、真面目な顔を寄せる。

「アンタと昨日ずーっと一緒にいたけど、すんごい情けなかった。イライラしっぱなし。どうして思ったまま行動しないのよ。思った事をいわないのよ」
自分に説教される私。

「アタシはあんたの本音を言うだけだから、そこんとこよく覚えておいて」
怒った顔で私に言う。

私の顔って怒ったら怖い。迫力あるんだなーって感心してどうする。

クミンはイスに座り、髪の毛を器用に上下のブロックに分けて、編んでねじってピンで留め、お団子が頭の上で対角線にふたつあるような、スッキリとした可愛い髪形にする。

あ……可愛い。
でも自分じゃ絶対しない。

え?それで学校行くの?
いやぁやめてーー!
いつも地味で三つ編みか、一つに結んでいるだけの私がそんな髪形すると、何を言われるかわからない。ゾッとする。

クミンはスカートのウエストを折り短くする。

「やめてよ短い」
叫んでもやめない。

「行こうか」
そして不気味に笑い
私をブレザーのポケットに入れる。