★ ★ 前期試験も終盤───あたしは、母親のケータイに電話を掛けていた。 実家に帰る日をもう少し延ばせないか、相談しようと思って。 ……が、なかなか出ず、なんだか出鼻を挫かれる。 今日はパートの日じゃないだろうから、ケータイ置きっぱなしで家事に忙しくしてる? まだお風呂に入る時間じゃないし……仕方ない、家に掛けたら出るかな。 家電のコールを数回鳴らすと、案の定電話に出たので、 「あっ、もしもし……」 『はい、真鍋です』 その声に、あたしは一瞬で固まった。 ───郁生…くん……