男子高校生というのはおそらく皆バカなのだろう。


少なくとも僕はバカだ。



だって、この状況に少しワクワクしている。



小説の中の出来事が今現実に起きている。


しかも僕が主人公だ。




ワクワクしないわけないじゃないか!



まだまだ情報は少ないが色々と回らない頭で想像してみる。



僕をここに連れてきた犯人は誰だ?目的は?手段は?まさか変な薬で記憶を操作されているんじゃ!




「そうだ、時計!」



右手の腕時計に目を落とす。



左利きでも無いくせに見栄をはって右手に着けているG-shock



5時48分




「時間はたっていないな、本当に一瞬で移動したのか」