よりを戻してからは柚那が毎日の様に見舞いに来るようになった。


少し前まではつわりが酷いために来てもすぐにトイレに行ったりするほどで見ているのも辛かったけど、どうやら安定期に入ったらしく落ち着いていた。


お腹の方も目立ってきたために学校も辞めたと本人から聞いた。


最近の柚那は本当にすごい。


子供の力なのかな?


父親って実感も沸かない俺。


こんなんで大丈夫なのか?


そんなことを思いながらもやっぱり時間は迫ってくるばかり。


そんな俺は周りに宛てて手紙を書き始めた。


柚那に伊月、蓮に加代、玲に美空


そして両親に生まれてくる子供に宛てて。


こんなことしか俺にはできないから。


そんなことを思い書き始めることにした手紙。


宛名を書いただけでその後はなかなか内容なんて浮かんでこなかった。


そんなことを考えていると扉をノックする音が聞こえた。


コンコン


「どうぞー。」


そう言いながら俺は枕のしたに便箋を隠した。


「けーいー?大丈夫?」


柚那だ。


妊婦で体も重い筈なのに柚那は欠かさずここへ来てくれる。


「お前こそ大丈夫か?そんな体で。」


「んー、重いー。」


そう言いながら柚那はベッドに腰掛けた。


「いつもありがとな。」


そう言えば柚那はとびきりの笑顔で笑ってくれる。


後何回この笑顔が見れるのだろうか。