恐る恐る目を開けてみると……
唇が触れる寸前のところで、ニヤリと微笑んでいる悪魔がいた。
「……なに、期待してたんだ?」
「……っ!!」
ワナワナと震えるあたしから離れて、ニッコリと満足そうに笑う。
……そうだ。コイツはそんな意地悪な奴だった……。
「……なんだよ?そんな顔したって逆効果だぜ?」
“そんな顔”とは、あたしが祐介くんを見上げて睨みつけている顔。
…ってか、逆効果って…これはあたしの最大限の睨みだよ!?
「ほら、そんな顔してねぇで、早く勉強しろ」
そんな呑気に言われても、勉強なんてする気になれないんだけど。
……キス、なんかしたことないもん。
だから、あたしなりに勇気出したのに。

