祐介くんが光貴くんを睨みつけながらそう言った。
場の雰囲気が一瞬にして凍りつく。
「ぼ、僕を殴ったことっすよ!」
「で、殴ったらどうなんの?死刑にでもなんの?」
「ぐっ……」
な、何か……言葉だけで光貴くんを負かしてる……。
「も、もういい…覚えておけよ!」
そんな捨て台詞を放ち、光貴くんは教室を去って行った。
「はぁ……やっと行ったか。大丈夫だったか?」
「うん、大丈夫だよ。それにしても……」
あたし達は顔を見合わせ、大笑いした。
「覚えておけよとか古……ぶはっ」
「あははっ、本当にね……ぷっ」
あぁ、楽しいな。
こんな風に祐介くんと笑いあえる事が
こんなにも嬉しいなんて。
当たり前の事なのに、それがこんなに幸せに感じるなんて……。

