悪魔と(仮)契約





それを聞いた祐介くんは再び顔を歪ませ


立ち上がろうとしている光貴くんのお腹を蹴った。



あたしはとっさに目を瞑る。



祐介くん…もう十分だよ……。


殴られた光貴くんより祐介くんの方が傷ついた顔してる……。


あたしなんかの事で祐介くんが傷つく必要なんてないんだよ……。



あたしは今にも殴りかかりそうになっている


祐介くんの背中に抱きつく。




「未生!?」




祐介くんの驚いたような声が聞こえる。




「もう、大丈夫だから…あたし何もされてないから…」


「あ、あぁ……そっか……」




祐介くんの身体から力が抜けていくのがわかる。



良かった……。


そう思って祐介くんから離れる。