「ゆう…すけくん………」
そこには他の誰でもない、彼が立っていた。
また…助けに来てくれたんだ……。
頬に流れる汗を手で拭いながら、
あたし達の方に目をやった祐介くんは
一瞬、驚いた顔をしたかと思うとその顔を歪ませ
今にもあたしにキスでもしそうになっている光貴くんに殴りかかる。
静かな教室に響く鈍い音。
殴られた光貴くんはあまりの勢いに床に滑り込む。
「お前…未生に何しやがった…」
聞いた事のないような低くドスのきいた声を
床に倒れている光貴くんに浴びせる。
「へへ…何したと思いますか?森澤先輩」
殴られた頬を押さえながら光貴くんがニヤリと笑い
そう答える。

