-祐介side-




「何しけた面しちゃってんだよー、祐介。」




放課後の数人しか生徒が残っていない教室に


その空気の読めない声が響く。




「うっせー、俺はもともとこんな顔だ」




机に片肘をついて窓の外を眺めながら


その声に適当に返事をする。




「もー冷たいぞっ、ゆうちゃんっ☆」


「キモい、失せろ。」




今俺のことをキモい呼び名で呼んだこいつの名前は


神山 春翔《カミヤマ ハルト》。



中学の頃からのいわゆる腐れ縁ってやつ……


コイツが勝手に言ってるだけだがな。




「で?何で祐介は教室に残ってんだ?」