「あの……っ」
口を開いてそう言葉を発すると、その声は
祐介くんの声によって遮られた。
「未生のことだから断わるのは申し訳ないとか思ってるんだろうけどさ、
俺にはそういうのいらないから。
ちゃんと未生が真剣に考えた答えを聞かせてほしい」
そう話した祐介くんの目は真剣そのもので、
いつもみたいな曖昧な返事だけはしちゃいけない……
そう思ったんだ。
『以上で全競技が終了となります。
閉会式の準備をいたしますので、生徒の皆さんは
各自、それぞれの席にてしばらくお待ちください』
ふいにそんなアナウンスの声が聞こえた。
いつのまにか曲も止まっていて、競技は終了してるみたいだった。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」
「え、閉会式は?」
「めんどいからサボる」

