あたしがそう言葉をこぼすと、校舎の陰から男の子が出てきた。
「いやー、いつも見てたけど、今日のも傑作だったな」
なんてことを笑いながら言った。
……は?傑作?見てた?
って言うかいつも!?
「…な、何の用ですか?」
「お前さ、“恋したくない”とか言ってるけど
そんなことできると思ってんの?」
あたしの言葉を無視して、彼は言葉を続ける。
…あ、思い出した。
この人、隣のクラスの森澤祐介だ。
確か、一日に必ず一回は告られてるとか噂の。
「…あなたには関係ないことです」
…そうだよ。
この人にあたしの何がわかるって言うの?

