よくそんな最低なセリフ吐かれてヘラヘラ笑ってられるな
と、最初は思っていた。
けど、思い返してみればあいつはいつ見ても笑ってたっけ……。
廊下ですれ違った時も、下駄箱で会った時も
…初めて挨拶を交わしたあの日も。
“あの日”と言うのは一年生の時。
たった一言「おはよう」と言葉を交わしただけだから
あいつはもう覚えていないかもしれねぇけど、
俺は一生忘れないと思った。
だって…あの時みたあいつの笑顔は
綺麗でどこか儚げに見えたから。
最初は、「いつもヘラヘラ笑って何が楽しいんだよ。」
という理由で持ったあいつに対する興味も今は違う。
あいつの笑う以外の表情ーー
怒ったり泣いたり驚いたり………
そんな表情も見てみたいという興味。
自分でも珍しいと思うな。