「…うぅー……」
体育祭も中盤に差し掛かった頃、
プログラムを片手に、あたしは唸っていた。
すると、
「…なに色気のねぇ声出してんだよ。」
「……ほぇ?」
後ろから突然声を掛けられて、
なんとも気の抜けた声を出してしまった。
「女の子にそんなこと言うなんて…し、失礼だよっ!」
「本当のことだから仕方ねぇだろ。」
ま、まぁ…そうかもしれないけど……。
ストレートすぎやしませんか?
「うぅ…」と心の中でもう一度唸ってみる。
「んで、お前は何してたんだよ?」
あ、そうだった。
「えっとね…、」
「何だよ?もったいぶってねぇで早く話せって。」

