我が子がオッサンに見える件について

「あら、タクちゃんのママ! こんにちは」
ヒロキくんのママはやたら声がでかい。それは、受話器を耳から離さないと鼓膜が破れそうな程。

「こんにちは、いつもお世話になっております。あのぅー、うちのタクまだそちらにお邪魔してます?」

「え? タクちゃん? 今日来てませんけど……」

血が凍った。その一言に。
けど、心配掛けてはいけないと思い、私は冷静な振りを装い電話を切った。