我が子がオッサンに見える件について

しかし、12時半過ぎてるのにタクはまだ帰って来ない。私は焼きそばを炒めながら時計に目をやる。ベーコンや玉ねぎ、ソースの匂いが鼻を掠めた。

火を止め、箸を置き、私は受話器を持ちヒロキくんの家の電話番号を押した。

受話器を耳に当て、呼び出し音が鳴り響く。二回コールがなったところで繋がった。

――プルルルッ ガチャ!
「はい、もしもし」

「あ、もしもし尾山ですが……」