「ママ、おはよ……」 その後、可愛いタクの声が響く。いつも眠たい目を擦りながらボゥーとして佇むタク。柔らかな髪は寝癖でボサボサ。けれど、その姿は、毎朝私の心に癒しを与えてくれる。きっと、今日もそんな風に立っているのだろうと想像しながら焼き上がったオムレツを皿に盛ってタクに目をやった。 「おはよ、タ……ぎゃああぁぁぁぁーっ!」 ――ガシャーン! 思わず、皿から手を離してしまった。