「ん? タク?」
 そう繰り返しては父さんは玄関に佇むオッサン小学生を見つめた。

しかし、次の瞬間――

「タクがどうかしたか?」
眉を潜めて聞き返してくる。
はぁぁっ?

「どうかしたかって……この顔見て分かんないの!?」

どう見たってオッサンじゃない! 

「顔……?」
 訝しげな表情でオッサン小学生を見据える父さん。
「別に、普段と変わらないが……」
 頭を掻きながらそうぼやく。