けど、そう感じるの私だけじゃないわよね?

真っ直ぐリビングにやってきて背広を脱ぎ始める。

「ちょっと父さん! ここで脱がないでって言ってるじゃない!」

キッチンでタクの大好きな鳥の唐揚げを揚げながら父さんにぴしゃりと言い放つ。
高温の油でパチパチ音を立てながらこんがりキツネ色に変わる鳥肉。
香ばしい醤油の匂いが玄関まで包み込む。

「……唐揚げ、か……今日もタクの好物か……?」