瞼を開ける事すら出来ない程痒い。

私は手の甲でゴシゴシ擦ったが一行に治まらない。むしろ、痒みはどんどん酷くなる。

痒くて痒くて堪らない。

私はあまりの痒みにさっき貰った目薬の事を思い出した。

いや、怪しい……。使いたくない。けど、痒いしこのままじゃあたしの愛しいペン様の顔も可愛いタクの顔も見る事が出来ないわ! それは、嫌! 絶対に嫌!……仕方ない。私は手探りで目薬に手を伸ばし、両目にさした。
透明な雫が両目に落ちた途端、今までにない清涼感を感じた。

「あれ?……」

二、三度瞬きをして瞳を開く。