始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~

「・・ちょっと!何してるのよ」

「キスですよ。あまりに可愛かったので」

「こんな道端で誰かに見られたらどうするのよ!いい大人なのに」

「いい大人だから軽いキスで我慢したんですよ」

そうしれっと答える彼に私は勝てないのかもしれない。

なんだかんだ言って、いつも彼のペースに負けてしまう。

それでも私達の関係がみんなにバレてしまったことへの抗議だけはしておきたかった。

「もう・・・私達が付き合っている事はナイショにしておく約束だったじゃない・・」

「そうですね。でもいつまでっていう決まりはなかったですよね。とりあえずってことでした」

「それは・・そうだけどさー」

そう・・確かにそうだった。

私が秘密にして欲しいって言った時、そんな感じでお互い納得したけど・・・。

眉間にしわを寄せて怒る私の顔を見て彼は笑ったかと思ったら、私の背中に手を寄せてそのまま自分の方へ引き寄せたので、私は不本意だけど彼の胸へ納められてしまった。

強引なのに優しい力で私を包む狡い男。

「あなたに近づく男がいたら、僕は我慢できません」

そう耳元でささやく彼にもう私は逆らえなかった。

怒っているはずの私はついそのまま彼へと身を預けてしまった。