傾城は時の氏神

烝「なんやて!?」




血相を変える山崎に




訳が分からないと土方は




ただ見つめていた。




烝「いつやられた!!」




雅「もう....一刻前....」




烝「あほ!!!なんでもっとはよこんかったんや!!見せてみぃ!!!!」




半場強引に雅の着物を脱がすと




見るも無残に腫れ上がった左腕が現れる。




雅「優しくしろ....」




土「っ....それは...」




烝「何してたんや。」




怒りながらも手早く処置を進めていく。




雅「総司に誘われて団子屋に...」



烝「ほんまにあほやな。もうすこし遅れてたら腕がなくなってあんたが団子になるとこやで。」




雅「冗談言ってる場合かよ...痛...」




烝「一応処置はしたけど...戦えるまでに回復するかはわからん。下手したら左腕は一生使えへん。」




雅「なんとかしろ。」




烝「無理や。」




それまで黙って聞いていた




土方がやっと口を開く。




土「その....そんなにまずいのか?甲賀とかいう忍の毒は...」




烝「そうですね。最初は気づかない。気づいたころには毒が回り始めていて手遅れになることもあります。まぁ今回はましな方や。」




土「その怪我でか!?」




烝「はい。違うとこに当たっとったら今頃死んでますわ。自分や雅は忍びの訓練受けてますから多少は毒に強いんですよ。」




土「.....」




既に布団で寝始めた雅を見て




苦しげに土方は眉を寄せる。




土「左腕...使えんのか...?」




烝「そればっかりは何とも...」




土「そうか.....」




雅の傍によると額の汗を拭う。




土「早く良くなれ....」




烝「おそらくしばらくは目覚めないと思いますから。土方さんも部屋に戻ってください。」




土「あぁ....」




名残惜しそうに見つめると




土方は静かに部屋を出て行った。