「えっ?いないって……。まさかそれを言いにわざわざ戻って……?」



信じられない、とでも言いたそうな顔でバカ女は目を見開いている。



やっぱり失礼な奴だ。


来るんじゃなかったか?



「おい、俺はそこまで冷酷人間じゃねえよ。さっさと戻りやがれ、バカ女」



「なっ……‼︎またバカって言った‼︎先輩の本性みんなにバラしましょうか?」



「勝手にしろ。誰もバカ女の言うことなんて信じねえよ」



「だからバカ女じゃありません‼︎もういいです、わざわざありがとうございました。では」



服部萌絵は律義にも俺にぺこりと頭を下げて階段を下りて行った。