「俺、彼女一筋だから」 私の方を見ようともせずに淡々と言って、飲み終えたのか手で紙パックをギュッと握り潰す先輩。 茶色の髪が風になびいてサラサラ揺れる。 不意に漂ったシャンプーの香りにクラッとめまいがしそうになった。 「知ってます、でも好きなんです‼︎」 伝えずにはいられないくらい。 「そういうのマジ迷惑」 ギロリと鋭い瞳を向けられて鼓動がドクンと鳴った。 ……わかってる。 そんなこと。 でも 好きなんだもん。