屋上から2年の教室がある階に戻った俺は、智沙のクラスまで行ってそっと中を覗き込んだ。



智沙は男女共に好かれてて、いつも話題の中心にいるような奴。



「ちーちゃん、彼氏来てるよ」



俺に気付いた近藤という男が智沙の肩を叩いて俺を指差した。


やめろよ。


簡単に触るんじゃねえ。


智沙も、距離近すぎだろ。


なんなんだよ、こいつ。


明らかに挑戦的な瞳を俺に向けて来る近藤。



こいつ、智沙のこと……。



「あ、本当だ。どうしたの?光流」



嬉しそうにそこから離れて、笑顔で俺に駆け寄って来る智沙。



近藤はつまらなそうにそんな智沙の背中を見つめていた。