「光流、お待たせ」 彼女はそう言って少し照れ臭そうにはにかんだ。 月明かりの下、そんな笑顔にドキッとする。 「おう。帰るか」 「うん」 彼女の智沙はいつものように俺の腕に自分の腕を絡めて来て、今日あった出来事を嬉しそうに話し出す。 「今日ね1回も怒られなかったよ。すごいでしょ?あたしもやれば出来るじゃんって感じ」 「ははっ、すげえじゃん」 いつもはヘコんでるのに、今日の智沙はバイト先でミスをしなかったせいか嬉しそうに笑っていた。