「ごめんなさい……私、他に好きな人がいるの。だから瀬名君とは付き合えない」 声が震えた。 だって 一生懸命伝えてくれてるから、その思いが伝わって来て。 初めてわかった。 断るってすごく苦しいってこと。 その手を取ることが出来なくてその場に立ち尽くす。 「はぁーっ、緊張したー!」 ヘナヘナとその場にしゃがみ込み膝の間に頭を埋める。 私はそんな瀬名君を黙って見つめるしか出来ない。