それ以降特に車内でも会話はなく、ただ一緒にいても気まずかった。 「あ、ボタン取れかかってるよ」 学ランの袖口のボタンが取れかかっているのを見て、思わず手を伸ばした。 かろうじて繋がってはいるけど、何かの拍子にすぐ取れちゃいそう。 ガタンッ 電車がカーブを曲がったところで、バランスを崩して体がよろめいた。 その瞬間、ブチッと嫌な音と感触が。 まさかと思って手の中を見ると、そこにはさっきまでかろうじて繋がっていたボタンがあった。 「ごご、ごめんっ」