どこか寂しそうな表情を浮かべる智沙先輩。 すぐに笑顔を見せたけど、わずかに瞳が揺れるのを私は見逃さなかった。 「おい」 「ちょ、なにするんですか」 いきなり頭を小突かれて、髪をわしゃわしゃ掻き回された。 し、信じられない。 この状況でこんなことをするなんて。 「智沙の言葉に同意するお前が悪い」 「なっ、なんでそうなるんですか。私は別にそんなつもりは」 手で髪を整えながら、不意に後ろを振り返った。