「クラスの友達を誘おうかと……」 眉間のシワがより一層深くなったのを見て、途端に声が小さくなった。 この迫力で凄まれたらひとたまりもない。 今まで先輩は私に対して本気で怒っていなかったんだなとこの時初めてわかった。 「あ、わかった。先輩、今日バイトで行けないからって拗ねてるんですか?」 それ以外で佐伯先輩が怒る理由が見当たらない。 きっと私が行くのが悔しいんだ。 「はぁ?なわけねえだろ」 「じゃあなんで怒ってるの?」 首を傾げて佐伯先輩の顔を覗き込む。