いつもの位置に立って、玄関から校門までを見渡す。 はは、私無意識に先輩の背中を探してる。 いないとわかってホッとしたけど、残念な気持ちも少なからずあった。 あーあ。 全然ダメだな、私。 諦めるどころか、毎日毎日光流先輩のことが頭から離れない。 あれだけ言われたのに、まったく嫌いになれない。 苦しい。 「またあいつに見惚れてんのかよ?」 えっ……? 「さ、佐伯先輩?」 気配を感じなかったので、隣に人がいてビックリした。