「佐伯先輩には、私の気持ちなんてわかりませんよ」 私がどれだけ苦しんでるか。 もがいてるか。 「ああ、わかんねえな。そうやっていつまでも悲劇のヒロインぶって、うっとおしい顔してる奴の気持ちなんて」 「…………」 「バイト中も構って下さいって顔して、客の前でも仏頂面して。いいか?バイトに私情を挟むな。金貰ってんだろ?だったらその時間ぐらいはきっちりやれ。世界で一番不幸ですって顔しやがって」 「……っ」 冷たくて鋭い視線に、悔しくて唇を噛み締める。