それから光流先輩に会わないまま梅雨が明けた。
肌を照りつける眩しい太陽。
制服が夏服に変わった。
半袖のカッターシャツとベージュのベスト、胸元のエンジ色の可愛いリボンは、茶色のチェックスカートとマッチしてる。
ここの制服に憧れて受験する子が多いけど、私もその内の1人だった。
机に顔を伏せてうずくまる。
窓の外からはミーンミーンという蝉の鳴き声が聞こえて来る。
あれから
最後に聞いた光流先輩の声が
頭から離れない。
あの冷たい声が……。
私を見つめる鋭い視線が
いつまでも胸に突き刺さったまま
消えてくれない。