「そうだな。
今は満腹だけど…ま、材料はたっぷりあるから、腹が減ったらその時は俺が何か作るよ。」

「えーーーっ!シュウ、料理なんて出来るの!?」

「あぁ、けっこう得意だ。
……な、ひかり?」

「う、うん。」



なんで?なんで、そんな話してるの?
ここあちゃんと隼人君は、のんびりとソファに腰掛けて、少しも帰る様子はない。



「ね、二人共そんな所につっ立ってないで、座って飲みましょうよ!」

そう言ってここあちゃんはシュウの腕を引っ張った。



「大丈夫?もうけっこう酔ってるみたいだけど…」

「ぜーんぜん、平気!
夜はこれからよ!さ、飲みましょう!」

ここあちゃんは組んだ太股が、ドレスのスリットから丸見えだ。
胸元も大きく開いてて、同性の私でも目のやり場に困る。
上げ底かどうかはわからないけど、一体、何カップなんですか!?って感じ。
隼人君はなんともないんだろうか?
ここあちゃんがこんな露出の多い服を着て、心配にならないのかな?
今日だって、ここあちゃんはシュウの友達とばかりはしゃいでたのに…
その間、隼人君は離れてぽつんと一人でいた。
なんだかもの静かな人だなぁ…



(そういえば…)



何をやっても怒ったりしない隼人君のことが逆に不安になったここあちゃんがわざと浮気をしたことがあったっけ。
浮気の現場を見てもただ黙って部屋を出ていこうとした隼人君をここあちゃんがなじったら、隼人くんは言ったんだ。
「おまえがどんなことをしても、それでも俺はおまえのことを嫌いになれない。
悔しいけど、それがわかってるから…」
そう言って、隼人くんは目を潤ませたんだ。
好きなセリフランキングに入ってたから、今でもしっかり覚えてる。
それで、ここあちゃんもその健気で一途な隼人君の気持ちに打たれて、もう二度と浮気はしないって誓った…
なのに……ここあちゃんの嘘吐き!



思い出すと、隼人君が可哀想になって来て、ここあちゃんのことがますます憎らしくなって来た。
でも、これだけ美人でセクシーなんだもんなぁ…
その上、明るくて積極的で、身に付けてるものだってセンスが良くて…



(……!!)