(す、菅原様ぁぁあああああ!)



なんて、なんて男前なんだお前は!


たとえ別のクラスであろうと、具合の悪そうな友達がいたら


すぐに走り寄って助けるなんて普通できないよ!!


感動した!!


でもごめんね、正直その役目は敬太様に譲って欲しかった!!



(くっそぅ、またイベント失敗か……)



心配そうに真凛ちゃんへ声を掛ける菅原様を見ながら、私はガックリと項垂れた。


ほんと、恋のキューピッドも楽じゃない……。


思わず深い溜息をつくと、



「どうしたの?」



と言いながら敬太様がこちらへ楽しそうな笑顔を向けてきた。


えぇい、そのエセ王子スマイルを私に向けるんじゃない!背筋が寒くなるわ!


なんて心の中で叫びながら敬太様を睨み上げていると、

真っ青な真凛ちゃんを抱き上げた菅原様がこちらへと歩いてくる。


それに気付いた敬太様は、少し不機嫌そうな表情をしながら私ごと菅原様の方へ向き直った。