――悪役。



それは恋愛モノの作品において、主人公の恋の障害となる重要人物だ。



(でも、逆に考えてみれば……?)



『悪役』という名の障害がなければ、運命のカップルだって展開的には盛り上がらない。


むしろ悪役がいるからこそ、主人公たちの恋は燃え上がる。


要するに、悪役とは――主人公の恋を盛り上げ、成就させるために

陰ながら頑張る恋の天使キューピッド的存在なのだ!



(……という事にしておこう)



私はむりやり自分を納得させると、改めて考えてニヤニヤした。


だって、今回私がくっつけるのは普通のカップルなんかじゃない。


大好きだった『天然シンデレラ』の二人なのだ!


しかも、側にいれば二人のイチャイチャを間近で見れる可能性があるし!