「どうされました?」
「いや……委員会が決まらなくてな」
「あぁ、菅原様もですか」
私は頷いて相槌を打つと、とりあえず菅原様の趣味や好きなことを聞いてみた。
なんせこの人、自己紹介の時に
『出席番号16。菅原大河。よろしく』
としか言わなかったのだ。
これだけの情報では、菅原様に向いた委員会なんて分からない。
そう言うと、菅原様は首を横に振った。
「いや……そういう事ではなくてだな」
気まずそうに口ごもった彼は、黒板の『学級委員長』の字へ一瞬だけ視線を移し、すぐに下を向いてしまう。
その挙動不審な様子を見て、私はなんとなく察してしまった。
(あぁ。この人多分、学級委員長になりたいんだ)


