……見た目の印象や話し方から思うに、この人はけっして社交的なタイプではないと思う。


それなのに、見知らぬ人間である私を気遣って声を掛けてくれるなんて!


なんていい人なんだろう!!



「……ありがとうございます」



私はニッコリと笑うと、彼に小さく頭を下げた。



「実は、知人がクラス表を見に行っておりまして。その帰りを待っているのです」


「……そうか」



彼は私の言葉にそれだけ答えると、さりげなく隣へ並んできた。


その行動の意味がわからず首を傾げると、



「そいつが来るまで一緒にいてやる」



だそうで。


凄い、いまどきこんなに親切な人っているんだ……!


と思わず感心していると、突然後ろから誰かに抱きしめられた。