(うわ、あぶなっ!もう少しで私、完全に悪女の道から外れるところだったんだ!!)



私はガバリと顔を上げると、即座に制服のポケットからスマホを取り出し、真奈ちゃんへ



『昼休みに聞いた件、新聞に掲載するのは少し待って欲しい』



という内容のメールを送った。


後は、明日にでも敬太様と真凛ちゃんの密会現場を写真に収め、匿名で新聞部に情報を流せば万事解決のハズだ。



(ふぅ、気付けて良かった……!)



私はいつの間にか額に浮かんでいた汗を拭いながら、



『悪女は一日にしてならず』



という言葉を心に刻み込んだのであった。




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