「仕方ないから、君付け止めるわよ、真帆」
私は面倒になり、躊躇いもなく呼び捨てにした。
「夢ちゃあああーんー…っ」
仕方ない、と真帆の頭を軽く撫でる。
大好き、と抱きついてくる真帆の頭を椎が腕で離した。
「真帆、胸に顔埋めてんの分かりやすい。」
「ちぇー。柔らかいし良い匂いなのに」
「……えっ?」
「ったく…無防備」
事がわからず、椎を見ると、わしゃわしゃと頭をなでられた。
イタイ…。
「………お楽しみの所悪いんだが、頼みがあるんだ…」
罰が悪そうに重々しく口を開く稜を全員で見る。
「稜?」
「…………旅行に、」
「え?」
「商店街のおばさんが、頼んできたんだ!!俺と旅行に行ってくれ!!!!」
「………え?」
うゔっと嗚咽まで漏らしながら泣く稜。
どうやら稜は、人に迷惑をかけるのが苦手らしい。
…全然迷惑じゃないんだけど。


